今回は「ネイティブの子どもの自由な発想のスペル法」についてお話します。
キンダーガーテンに通う息子たちの作文をみていると、暗号のような文字列にたびたび出くわします。
実はこの文字列、子どもたちが聞こえた(と思う)音をフォニックスのルールをもとに表現したもの。
このような子どものユニークなスペリングは「invented spelling」(以下、インベンティッド·スペリング)と呼ばれます。
日本であまり馴染みのないスペル法ですが、フォニックス学習ではとても重要なのでシェアします。
あなたの英語学習の参考になればうれしいです。
- フォニックスを習ったのに英単語が書けないと悩んでいる方
- フォニックスを習ったお子さんが暗号のような英単語を書くと心配している方
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インベンティッド·スペリングとは?
フォニックスを学んで間もない5·6歳の子が、文字と音のパターンの知識をフル活用して生みだす独自のスペル。
英語圏では子どものライティングスキル向上に欠かせないステップとされています。
長男が書いたインベンティッド·スペリング
うちの長男が小学校で書いた作文を紹介します。
テーマは「クリスマスにもらった手袋」

(原文)
Tue Jan 5 2021
I got new glvs fr Chrisimus.
tha r blue.
My glvs r warm.
スペル間違いは以下のとおり。
glvs ⇒ gloves
fr ⇒ for
Chrisimus ⇒ Christmas
tha ⇒ they
r ⇒ are
母音が抜け落ちたり、単語が省略されたりしています。
インベンティッド·スペリングを取り入れてる小学校では、低学年の先生は子どもたちのスペル間違いを直しません。
全く手を加えないか、せいぜい正しい単語を小さく書き足すくらいです。
インベンティッド·スペリングはいつまで?
子どもにもよりますが、Grade1(小学1年生)の初め頃までインベンティッド·スペリングを書くようです。
Grade2に近づくにつれ、子どもたちは学校の授業、宿題、読書、さらに日常生活を通じて正しいスペルを学んでいきます。
インベンティッド·スペリングのメリット·デメリット
インベンティッド·スペリングにはメリット·デメリットがあるので確認しときましょう。
メリット
○思いついたらすぐ書ける
子どもたちはスペルを気にせず、自分のアイデアをすばやく表現できます。
書くコミュニケーションの楽しさ·大切さを早いうちから学びます。
○フォニックスの理解度チェック
先生はインベンティッド·スペリングから、生徒がフォニックスのルールをどれくらい理解しているか把握できます。
子どもたちに合わせた学習計画を立てるのに役立ちます。
デメリット
○時間がかかる
子どもたちが正しいスペルを学ぶまでに時間がかかります。
また先生やパパママが子どもの作文を読んで、理解するのに時間と忍耐がいります。
○間違ったまま大人になる
正しいスペルを学ぶ機会がないと、間違った単語を覚えたまま大人になってしまう可能性があります。
まとめ
今回はインベンティッド·スペリングについてお送りしました。
スペルが間違っていようが、とにかく子どもに自己表現させるというのがとっても北米らしいですよね。
フォニックスを習ったお子さんが、不思議な単語を書いていたら、それはおそらくインベンティッド·スペリングです。
パパママはお子さんが正しいスペルを知る手助けをしてあげてくださいね。
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