カナダでの病気やケガ、できれば避けたいですよね。ですが万が一の時に備えて、カナダの医療システムを知っておいて損はありません。
どんな症状の時、どの病院へ行けばいいのか知っていれば、早めに行動できますよね。
今回は私が暮らすBC州バンクーバーの病院システムについて述べていますが、他州でもほぼ同様です(ケベック州は除く)。
- カナダの病院タイプ
- カナダの病院選びフローチャート
- カナダの病院への行き方・受診方法
- 安心の日本語ヘルプ in バンクーバー
カナダの病院は3タイプ
ひとくちに「病院」といっても、カナダの病院は大きく3つに分類できます。(私の独断)
どの病院へ行くかは、予約状況や緊急性によって決まります。

①カナダのクリニックとは?
カナダで体調を崩して、最初に行くのが『クリニック』 です。
ややこしいことに、このクリニックはさらに3つに分けられます。
Walk-In Clinic (ウォークインクリニック)
予約なしで診てもらえますが、待ち時間が長い。予約可能なら、ぜひ事前予約しましょう。
Family Doctor (ファミリードクター)
予約は必須。基本的に診察するのは受け持ちの患者のみ。
Specialist (スペシャリスト)
専門分野の医師(例:産婦人科医、小児科医など)のこと。クリニックドクターやファミリードクターの紹介状が必要。
ウォークインクリニックは「Medimap」というサイトから簡単に見つかりますよ。
スペシャリストへの紹介はクリニックドクターやファミリードクターが必要と判断した場合のみ。待ち期間はだいたい3か月~1年くらい。
忘れた頃にスペシャリストのスタッフから「〇月〇日〇時に来てください」と予約日時を知らせる電話がきます。
カナダのウォークインクリニック検索サイト→https://medimap.ca/
②カナダのアージェントケアセンターとは?
ファミリードクターやウォークインクリニックですぐに診てもらえない時に、予約なしで行くのが『アージェントケアセンター』
アージェント (Urgent)は、「緊急の、早急の」という意味。
軽度の骨折・脱臼・捻挫・切り傷、嘔吐、高熱、軽度の感染症など、命にかかわらないケガや病気が治療対象です。
症状によってはホスピタルの緊急外来(ER)を紹介されます。
③カナダのホスピタルとは?
『ホスピタル』は日本の総合病院にあたります。手術・入院のための設備が整っています。
緊急の場合は、ホスピタルのEmergency(エマージェンシー)へ直行するか、「911」に電話し救急車でERへ搬送してもらいます。
ERへの予約はいりませんが、待ち時間がとても長いです…。
バンクーバー市内で24時間稼働しているERは下の3つです。
St.Paul Hospital (セント・ポールズ病院)
1081 Burrard St.Vancouver, BC, V6Z 1Y6 (604) 682-2344
Vancouver General Hospital (バンクーバー総合病院)
920 West 10th Ave.Vancouver, BC, V5Z 1M9 (604) 875-4111
BC Children’s Hospital (BC州小児総合病院)
4480 Oak St. Entrance 55.Vancouver, BC, V6H 3V4 (604) 822-7121
BC Children’s Hospitalは、16歳までの子ども対象の総合病院です。うちの息子たちは何度かここのERでお世話になりました。
バンクーバー市内と周辺エリアのERの待ち時間が分かるサイトは便利なので、ERへ駆け込む前に要チェック。
バンクーバー市と周辺エリアのER待ち時間一覧→http://www.edwaittimes.ca/WaitTimes.aspx
カナダの病院選びフローチャート
カナダの病院3タイプを紹介しましたが、「どこ行けばいいか、いまいち分からない…」という方もいるかと思います。
そこで、私なりにフローチャートにしてみました。参考にしてください。

カナダの病院への行き方・受診方法
ここではカナダの病院の中で、最も身近なウォークインクリニックへの行き方・受診方法を書いていきます。
STEP1:ウォークインクリニックを探す
上で紹介した「Medimap」やGoogleで簡単に見つかります。
私の経験上ウォークインクリニックは予約なしで行くと長いこと待たされます…。
出来ればウェブサイトや電話で事前に予約しましょう。
※海外旅行保険を利用する場合は、保険会社が定める受診手続きにしたがいましょう。
STEP 2:ウォークインクリニックの受付へ
まずは受付で手続きをします。
最初に健康保険カード(BC州ではBC Services Card)の提示を求められるので、必ず持っていきましょう。
健康保険カードが無い場合は、海外旅行保険証(英文)を提示します。
受付ではこんな質問をされます↓
・そのクリニックで診察を受けたことは? (Have you been here before?)
・今日クリニックを訪れた理由は? (What brings you here today?)
・ファミリードクターはいる? (Do you have a family doctor?)
もし問診票を渡されたら、記入して受付へ提出します。
当然ですが、ウォークインクリニックでのやり取りはすべて英語です。
STEP 3:医師の診察
あなたの症状をできるだけ詳しく説明してください。
Googleの翻訳機能を使ったり、英語は書くのが得意!という方はメモを書いて、それを見せてもいいですね。
STEP 4:処方箋・検査申請・スペシャリストの紹介
必要に応じて、医師から処方箋、検査申請、スペシャリストの紹介があります。
STEP 5:受付で支払い
州の健康保険に加入している場合、診察費は一切かかりません。
保険会社とキャッシュレス提携しているクリニックの場合も支払い不要です。
それ以外の場合は、まず自己負担して、あとで保険会社へ医療費を請求します。
診察代、薬代、病院までの交通費などが返ってくるので、必ずレシートを取っておきましょう。
これで安心! 日本語ヘルプ
バンクーバーで日本語が通じるクリニックと日本人による通訳サービスを紹介します。
Bethelmed Clinic (ベテルメッドクリニック)
日本とBC州の医師免許を持つ杉本主愛先生のクリニック。電話・オンラインによる遠隔診療をおこなっています。
ウェブサイト:https://www.bethelmed.ca/
電話:778-807-3224
住所:Vernon, BC
Trans Med (トランスメッド)
バンクーバー、トロント、ヒューストンで医療通訳サービスを提供している会社。
ウェブサイト:https://transmedcanada.com/
電話:604-339-6777
住所:1061 Hamilton St. Vancouver,BC V6B 5T4
医療通訳サービス・バンクーバー・メディカル・トランスレーション
バンクーバーで医療通訳サービスを提供している会社。
ウェブサイト:http://54c.heteml.jp/vmt/
電話:778-836-7238
日本の海外旅行保険のほとんどは、医療通訳費をカバーしてくれます。まずは日本の保険会社へ問い合わせてみましょう。
まとめ: カナダの病院は日本に比べて非効率
最後のまとめが悪口っぽい笑。でも本当なので。
カナダの医療システムって、診察までの待ち時間がめちゃくちゃ長く、専門医に直接診てもらえなくてとっても不便なんですよ。
とはいえ、健康の維持・回復に病院は必要不可欠なのも事実。あなたがカナダで病院にかかる時にこの記事が参考なるとうれしいです。
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